映画「東京クルド」(監督:日向史有。2021年公開)

解体作業に従事しているクルド人青年と入管職員とのやり取り。

 

『職員 まだやってる仕事 

    解体の仕事でしょ 

 

青年 そうだよ 

 

職員 それだけ?収入源としては 

   他にお父さんとか 

 

青年 親父と俺だけ 

   仕事しちゃいけないの? 

 

職員 そう仕事しちゃいけないの 

 

青年 なんで?

 

職員 ここに書いてあるじゃない? 

   仕事しちゃいけないって 

 

青年 なんで?

 

職員 仮放免のルールだよ 

 

青年 なにそれ 法律だから正しいの? 

   法律 全部正しいわけじゃないよ 

   例えば俺 仕事しないじゃん 

   どうやって生きていけばいい? 

 

職員 それは 私達どうすることもできないよ 

   それはあなたたちでどうにかしてほしい】/

 

 

この国の難民認定・入管制度は、発展途上国の人間には極めて厳しい。

これが日本の「オ・モ・テ・ナ・シ」だ。

この国の社会の持つ非人間性不法滞在者という最も弱い人たちの上に収斂しているのではないだろうか?/

 

 

2007年以降収容中の死亡者は17名。その内5名は自殺者。】

 

また、クルド人難民認定者数はゼロ。

なぜ、一人も?

クルド人を弾圧しているトルコ政府との間で密約でもあるのだろうか?/

 

 

入管に1年以上収容されていたチョラク・メメットさん(収容中、体調不良を訴えて救急車を呼ぶも、病院に搬送されたのは30時間後だった。)の言葉:

 

【難民申請者に対して 

なぜここまでイジメなきゃならないんですか 

殺すつもりでここに入れているんじゃないですか 

精神的におかしくさせて 家族をバラバラにさせて 

自分の家族と一緒に暮らしたい 

これは人間らしくない 

家族の横に自分の子供達の横にいきたい 

 

人生の半分は日本だよ 

もう16年目です 

もう16 面倒をみてくれて ありがたいんですね 

でも 子ども生まれて 私の子供は今 無国籍 

住民票出ない 

保険ない 

私達 自分で家を借りることもできない 

ただ いるだけ 】/

 

 

日本国憲法前文

【われらは平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。】