映画『マイスモールランド』(監督: Emma Kawawada、 川和田恵真)

公開日: 202256

 

日本の入管・難民制度の非人間性と、その抑圧の中で懸命に生きているクルド人親子の姿を描いている。

 

映画『東京クルド』でも描かれていたが、仮放免者は就労が禁止されている。

おまけに生活保護の受給も認められていない。

県を跨いでの移動も原則禁止だし、保険がないので医者にも行けない。

生きていくためには、当然不法就労せざるを得ないが、それが入管に見つかると、いつ収容されるか分からず、いったん収容されるといつ出られるか分からない。

 

日本政府のアジア・アフリカからの難民に対する扱いは、まるで猫がトカゲを弄んでいるかのようだ。

自らの手中で好きなだけこづき回して、ボロボロになったら放り出す。

あるいは、日本の難民認定制度の罠に囚われてしまったアジア・アフリカの人々は、蜘蛛の巣に捕えられた蝶か、蟻地獄に落ち込んだアリのようだ。

もがいてももがいても徐々に体力を奪われていくだけで、決して抜け出すことはできない。

 

そして、収容という特別権力関係の下で、日本人の残虐性が昔日のように開花する。

 

日本の入管・難民認定制度は、アジア・アフリカの人々に対するヘイト・クライムであり、彼らの人間性に対する陵辱だ。

日本人の一人として、心から謝罪したい。

 

日本の入管・難民制度に強い怒りを覚える。

あまり書けなかったけれど、映画の方はストレートに胸に響いてくるいい映画だ。

まだまだ道は遠そうなので、何度でも観て怒りを鍛え直したい。